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就業規則の不利益変更 「第四銀行事件」と「みちのく銀行事件」の違い [ 就業規則]

就業規則の不利益変更というのは、なかなか悩ましい問題です。労働契約法では、就業規則の変更についてこのように定めています。

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(就業規則による労働契約の内容の変更)

第九条  使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。

第十条  使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。(以下略)

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で、実務上問題になるのは、労働者に不利益に変更される場合に、(裁判所で)合理的と判断されるかどうかの基準がハッキリしない点です。

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この不利益変更の問題で、第四銀行事件みちのく銀行事件というのがあります。どちらも、就業規則を改定して高年齢者労働条件を引き下げた例です。しかし、第四銀行事件では、就業規則の変更が合理的だと認められたのですが、みちのく銀行事件では、認められませんでした。

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この判例は有名ですので、就業規則の不利益変更を解説した本などには必ず取り上げられています。しかし、今まで、どの解説を読んでも(といっても、そんなに沢山の解説を読んでいるわけでもありませんが・・・)納得できませんでした。

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ところが、濱口桂一郎さんの「日本の雇用と中高年」(ちくま新書)を読んでいたら、この2つの事件の解説があり、「あ~、そうだったんだ」と、積年のもやもやが晴れました。その一節をご紹介します。先ず、不利益変更が合理的と認められた「第四銀行事件」です。

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こうした定年廷長指導を受けて定年55歳から60歳に引き上げた企業が、それに伴う賃金の引下げの合理性をめぐって訴えられた有名な事件が第四銀行事件(最二小判平9228)です。

同銀行は1981年には新渦県知事から、1982年には労働大臣から60歳定年延長の強い要請を受け、1983年に定年延長を実施しますが、「被告銀行における労使交渉においても45歳あるいは50歳の賃金をピークとしそれ以降の賃金を減少するというなだらかな賃金カーブということについても検討したらどうかということを従業員組合に提示したところ、それについては強い抵抗があったという経緯があり、60歳定年実現のためには、55歳定年後の賃金水準についてのみ労使交渉をせざるをえず、また現実に55歳定年後の賃金水準のみが労使交渉の対象となった」(地裁判決における会社側主張)という経緯で、55歳以降の賃金大幅に引き下げたという事案です。

この最高鮫判決は、就業規則の不利益変更を合理的と認めた刊例として有名ですが、そのきっかけは賃金改革を含む定年延長指導にあったわけです。

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一方、就業規則の不利益変更が合理的と認められなかった「みちのく銀行事件」です。

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ちなみに、これと対照的に就業規則の不利益変更の介理性を認めなかったみちのく銀行事件(最一小判平1297)は、他行がまだ55歳定年だった197660歳定年としており、その後他行が賃金を大幅に引き下げ60歳に定年を廷長しているのを見て、198855専任職に移行する制度を導入した事例です。

地裁判決で会社側は「同じ業種において同一の60歳定年制を実施する場合、定年を延長するのと同時であるならば、55歳以降の賃金体系・資格体系に特別の措置を設けることに合理性が認められるのに、既に60歳定年制を実施しているときには、右と同じ取扱いであっても、その合理性が認められないということは論理が一貫しないというべき」と主張していましたが、それは結局認められなかったわけです。

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なるほど。この事件にはこのような背景があった訳ですね。この会社側の主張は一理どころか二理も三理もあると思いますが、それでも認められなかったという点に、就業規則の不利益変更の勘所があるように思います。

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